ミントにはデグーに悪い成分が含まれている【成分から考える】
ミントは、日本では薄荷(ハッカ)と呼ばれている植物です。
新鮮で香りがよく、甘い後味が冷たく、紅茶、飲料、ゼリー、シロップ、キャンディー、アイスクリームに使われています。
中東料理では、ミントはラム料理に使用されますが、イギリス料理とアメリカ料理では、それぞれミントソースとミントゼリーが使用されます。
また、ミントはメディカルハーブや漢方薬としても使用されています。
解熱、発汗、健胃などの目的で使用されます。
アメリカの国立保管統合衛生センターの研究では、過敏性腸症候群や消化不良の改善が見込めるとの結果が出ているようです。
スッとする香りと刺激的な味から、気分転換になるだけでなく胃腸の調子を良くしてくれるミントは、人間にとっては良い植物です。
しかし、デグーにとってはどうなのでしょうか?
現在出版されているデグーの飼育本には、デグーにミントを与えても良いと記載されています。
こんなに刺激のあるハーブなのにミントを与えても良いのかが気になったため、ミントの成分から本当にデグーに与えて良いのかを考えました。
この記事では、
・ミントの成分
・デグーの身体にどのような影響が考えられるか
・デグーに与えて良いのか
を考え、紹介していきます。
デグーを飼育するうえでの参考にしていただければ幸いです。
デグーはミントを食べても良いの?
ミントは私たち人間が食べてもスッとするような刺激があったり、大量に食べると熱くなったりヒリヒリしたりしますよね。
この刺激が苦手な人も結構います。
人間でも刺激があるのにデグーに与えても良いのかを、ミントの成分を見ながら考えました。
ミントの成分表
■ミントの葉100gあたりの栄養成分
水 | 78.65g |
エネルギー | 70kcal |
タンパク質 | 3.75g |
脂質 | 0.94g |
灰 | 1.76g |
食物繊維 | 8.0g |
カルシウム | 243mg |
鉄 | 5.08mg |
マグネシウム | 80mg |
リン | 73mg |
カリウム | 569mg |
ナトリウム | 31mg |
亜鉛 | 1.11mg |
銅 | 0.329mg |
マンガン | 1.176mg |
ビタミンC | 31.8mg |
チアミン | 0.082mg |
リボフラビン | 0.266mg |
ナイアシン | 1.706mg |
パントテン酸 | 0.338mg |
ビタミンB-6 | 0.129µg |
葉酸 | 114µg |
引用:「米国農務省農業研究サービス」https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/173474/nutrients
ミントの成分はデグーの身体に良くない
ミントの成分表の中から、含有量の多いものを挙げると
カルシウム 243mg
マグネシウム 80mg
リン 73mg
こちらが他の植物よりも多く含まれている成分です。
リンが多く含まれていると、酸性の食物となり刺激が強いものとされています。
また、カルシウムは腎臓で濾過され排出されるため、デグーの身体には負担となりやすい成分です。
過剰に摂取すると腎臓に負担がかかり、膀胱に砂や結石ができてしまうこともあります。
このような成分から、デグーにミントを与えても良いですが、与えすぎない方がよいと私は思います。
飼育本には与えても良いって書いてあるけど?
デグーの飼育本には、デグーに与えてよいものとしてミントがあげられています。
確かに葉を数枚与える程度では、すぐに死に至る事はありません。
お迎えした頃はデグーも若く、内臓機能も活発で少しの栄養過多では大きな問題にならないことも多いです。
しかし、だんだん年老いてくると、デグーも人間と同じく内臓機能が低下します。
なので、長期的に考えるとミントは毎日与え続けるべきではないと思います。
いま問題ないからといって長期的に大丈夫とは限らないので若い頃から飼い主のあなたが気にかけてあげてください。
デグーにミントを与えすぎない方が良い
今回は、デグーにミントを与えても良いのかについて考えてみました。
ミントの成分には、デグーの内臓に負担をかけやすい成分が多く含まれていることがわかりました。
ミントの葉を数枚与えるなど、少量の摂取では問題ありませんが、あえてミントを与える必要は無いと思います。
大量に与えてしまったり、日常的に与え続けると内臓に負担をかけてしまう可能性があるため、あまり与えないほうが良いでしょう。