デグーに生の豆を与えてはいけない

デグーの食べもの

デグーに豆をあげないで

私たちの生活の中でも日常的によく目にする、大豆や小豆などの「豆」ですが、実はこれには「毒」が含まれているんです。

大豆や小豆などの食品をスーパーで購入する時に、生の状態で売られているのを見たことがないのはそのためです。

 

なので、注意していただきたいのは庭やプランターで栽培している人たちです。

大豆と小豆だけではなく、豆類全般の話ですので、インゲンやエンドウ豆もダメです。

 

加熱処理をしていれば人間も食べられるのであれば、加熱処理をしたものならデグーに与えてもいいのでしょうか?

 

この記事では

①大豆の生食を避ける理由

②加熱処理をしていればデグーに与えることは可能か

について考え、紹介していきます。

豆の生食を避ける理由

多くの豆類の種子中には、有害なタンパク質「プロテアーゼ・インヒビター」「アミラーゼ・インヒビター」「レクチン」という成分が含まれている。

 

これらの物質は消化を阻害するため、生食すると消化不良を起こし下痢や嘔吐を引き起こす原因となる。

 

豆類はなぜ毒があるのかというと、植物が種の存続の為に動物が自分の種を食べられないようにしているのだとか。

これらは、加熱処理をすることによって有害タンパク質を変質・失活させて食べることができる。

人間にとっても有毒だが生の豆はラットにも有毒

生の大豆を飼料としてラットに摂取させると、成長阻害膵臓肥大などの有害作用が引き起こされることが報告されている。

有害タンパク質の摂取により、腸の働きが弱まったことにより、膵臓が消化を補おうとして亢進した結果、膵臓肥大を引き起こすのだという。

加熱処理をしていれば大豆や小豆をデグーに与えてもいいか

豆類は加熱処理をすると有害タンパク質が変質・失活させて食べることができる。

しかし、人間が食べられるからといってデグーのような小動物に与えてよいかというと、また別の話である。

大豆の栄養価

大豆100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,765 kJ (422 kcal)
29.5 g
食物繊維 17.9 g
19.7 g
飽和脂肪酸 2.59 g
一価不飽和 4.80 g
多価不飽和 10.39 g
33.8 g
ビタミン
ビタミンA相当量

(0%)

1 μg

(0%)

7 μg

チアミン (B1)
(62%)

0.71 mg

リボフラビン (B2)
(22%)

0.26 mg

ナイアシン (B3)
(13%)

2.0 mg

パントテン酸 (B5)
(27%)

1.36 mg

ビタミンB6
(39%)

0.51 mg

葉酸 (B9)
(65%)

260 μg

ビタミンC
(4%)

3 mg

ビタミンE
(15%)

2.3 mg

ビタミンK
(17%)

18 μg

ミネラル
ナトリウム
(0%)

1 mg

カリウム
(40%)

1900 mg

カルシウム
(18%)

180 mg

マグネシウム
(62%)

220 mg

リン
(70%)

490 mg

鉄分
(52%)

6.8 mg

亜鉛
(33%)

3.1 mg

(54%)

1.07 mg

マンガン
(120%)

2.51 mg

セレン
(7%)

5 μg

他の成分
水分 12.4 g
水溶性食物繊維 1.5 g
不溶性食物繊維 16.4 g
ビオチン(B7 27.5 µg

■牧草の成分比較

 

デグーの主食であるチモシー100gあたりの炭水化物量が6.7g、主食として相応しくないと言われているアルファルファ100gあたりの炭水化物量が17.0gなのに対して、大豆の炭水化物量は29.5gである。

デグーにとって明らかに栄養過多であることがわかる。

 

また、大豆はマグネシウムの量が多すぎるため、それが体内でカルシウムと結びつき、尿結石となって死亡するケースもある。

 

実際にデグーに与えているブログや動画もインターネット上にあるため、1粒ならただちに問題はないかもしれないが、プレーリードッグに5粒の大豆を与えたら死に至ったという話もあるため、デグーにも与えない方がいいだろう。

参考:「知恵袋」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1414622059

結論:豆類はデグーに与えない方がよい

人間にとっては美味しい食物でも、デグーのような小動物にとっては有害な食品は多く存在する。

デグーは本来、草食動物であり野生のデグーは草だけを食べて一生を終えるほどの粗食である。

飼育していると愛情から良かれと思って犬や猫、ハムスターのように色々と与えたくなるが、色々と与えない方がデグーにとっては健康で居られる場合もあることを理解しておこう。