じゃがいもの皮と芽の毒はデグーにも悪い

デグーの食べもの

じゃがいもには毒がある

デグーの飼育書を読んでいると、デグーが食べられないものの中に「じゃがいもの芽と皮」が含まれていますね。

漠然と「じゃがいもってダメなんだ」というのはわかっても、具体的にじゃがいもの何が悪いのかが詳しく書かれて居なかったので調べることにしました。

 

また、芽と皮以外なら食べてもいいの?という疑問もあったのでそれについても考えてみました。

 

この記事では、

①じゃがいもの芽と皮の何がデグーに悪いのか

②可食部であればデグーに与えてもよいのか

について紹介していきます。

じゃがいもの皮と芽には毒がある

じゃがいもの芽とその根元の部分と、皮(光に当たって緑色になった部分)には、天然毒素であるソラニンチャコニンが多く含まれている。

 

このソラニンとチャコニンは、天然毒素のひとつです。

ソラニンとチャコニンが多く含まれている部分を食べると、「吐き気」「下痢」「嘔吐」「腹痛」「頭痛」「めまい」などの症状が出ることがあります。

 

じゃがいもの芽には100gあたり7.5mgのソラニンとチャコニンが含まれていて、光が当たって緑になった部分には100g中100mgも含まれていることがわかりました。

人間にも悪いがデグーには絶対に与えてはいけない

体重が50kgの人の場合であれば、50mgを摂取すると症状が出る可能性があり、150〜300mgを摂取すると死に至ることもあります。

 

デグーの体重は200〜300gなので2〜3mgで体調不良が出る計算になります。

しかし、小動物は些細な体調不良でも死に至ることが多いので下手をすれば2〜3mgで死んでしまうこともあり得るのです。

通常の可食部ならデグーに与えてもよいか

じゃがいもの成分表

100 gあたりの栄養価
エネルギー 318 kJ (76 kcal)
17.6 g
デンプン 正確性注意 16.9 g
食物繊維 1.3 g
0.1 g
飽和脂肪酸 0.01 g
多価不飽和 0.02 g
1.6 g
ビタミン
チアミン (B1)
(8%)

0.09 mg

リボフラビン (B2)
(3%)

0.03 mg

ナイアシン (B3)
(9%)

1.3 mg

パントテン酸 (B5)
(9%)

0.47 mg

ビタミンB6
(14%)

0.18 mg

葉酸 (B9)
(5%)

21 μg

ビタミンC
(42%)

35 mg

ミネラル
ナトリウム
(0%)

1 mg

カリウム
(9%)

410 mg

カルシウム
(0%)

3 mg

マグネシウム
(6%)

20 mg

リン
(6%)

40 mg

鉄分
(3%)

0.4 mg

亜鉛
(2%)

0.2 mg

(5%)

0.10 mg

マンガン
(5%)

0.11 mg

他の成分
水分 79.8 g
水溶性食物繊維 0.6 g
不溶性食物繊維 0.7 g
ビオチン (B7) 0.4 µg
有機酸 0.5 g

参考:文部科学省「日本食品標準成分表」http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm

じゃがいもの可食部はデグーに与えていいか

毒性のない部分であれば、じゃがいもはデグーも食べられるのでしょうか。

答えは「食べない方がいい」です。

 

栄養価からみて、じゃがいもは炭水化物が多く、デグーにとっては栄養過多といえます。

その割には食物繊維が少なく、歯が伸び続けるデグーにとっては柔らかすぎるのです。

 

栄養面だけでなく、歯伸びを防ぐ意味でも牧草(チモシー)を主食として与え、余分なカロリーは控えた方がいいでしょう。

じゃがいもはデグーに与えない方がよい

デグーにじゃがいもを与えていいのかどうかの研究資料などは出て来なかったため、栄養価から推測してみました。

じゃがいもは炭水化物が多く食物繊維が少ないので、体内での糖代謝能力が低いデグーにとっては相応しくないといえるだろう。

また、じゃがいもは水分量が多く柔らかいので下痢を起こしてしまう可能性があります。

さらに食物繊維が少ないため、げっ歯類であるデグーの歯を食事によって削ることができません。

結果的に余分なカロリーを摂取するだけとなり、体調不良にもなりやすいため、進んで与えない方がよいでしょう。