【りんご・もも・梅・びわ】の種に毒が含まれている
りんごを丸ごと食べる人も、芯や種ごと食べる人は少ない。
ももやびわの種は必ず取る。
梅の種は吐き出す。
私たちが当たり前に何気なく行なっている行動には、実は理由があった。
りんご・もも・梅・びわなどの植物の種には「毒」があったのだ。
この記事では、りんご・もも・梅・びわなどの植物の種にはどんな毒が含まれているのか、致死量はどのくらいなのかを紹介しています。
りんご・もも・梅・びわの種の毒「アミグダリン」と致死量
りんご・もも・梅・びわの共通点はなんだと思いますか?
正解は…「バラ科の植物」です。
なぜバラ科の植物の種は食べてはいけないのでしょうか?
その「自然毒」について紹介します。
バラ科の植物の種子に含まれている毒「アミグダリン」とは
引用:「wikipedia」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3
アミグダリンとはアンズやモモの成熟種子や,苦扁桃 (ビターアーモンドともいう) に含まれる化合物のことで、シアン配糖体の一種。
アミグダリン自体に毒性はないものの、体内の酵素で加水分解されると「シアン化水素」という猛毒を生む。
そのため、種子にアミグダリンを含むバラ科の果実は食べない方が良いとされている。
アミグダリン(Amygdalin)は、主に植物性の自然毒であり青梅中から検出されることで知られていますが、バラ科の種子に多く、果肉、葉、樹皮にも含まれまれ同じ青酸配糖体のプルナシン(Prunasin )も含みます。
未熟な果肉にも含んでいますが、成熟するにつれ分解してなくなります。
核に多く、砕けると分解酵素のエムルシン(βーグルコシターゼ)によって、グルコース、香り成分のベンズアルデヒドと、青酸(シアン化水素 HCN)の毒性を生じてくるのです。
長い時間の経過と共にシアン化水素は、糖に分解され無毒化していきます。
シアン化水素は、青酸カリの致死量で200~300mg程度とされてケイレン、呼吸困難を起こし数分以内に死亡する猛毒です。
体内で細胞に存在する酵素シトクロムオキシダーゼ(Cytochromoxidase)と結合し、細胞の呼吸を阻害するのです。
アミグダリンの多量摂取による有害作用として、悪心、嘔吐、頭痛、目まい、血中酸素の低下による皮膚の青白、発熱、肝障害、異常な低血圧、瞳孔拡大、神経障害による歩行困難、意識混濁、昏睡状態に陥り最悪の場合死に至るのです。
シアン化水素は時間が経つにつれ分解され毒素が消えて行くので成熟した果物等ではほとんど問題はなく生食されています。
茹でる、揚げる、炒めるなどの加熱処理により毒素をなくす処理ができます。
核内のアミグダリンの含有量は、ウメ3.2%、アンズ8%、ビワ2.0%、豆類0.005%との報告があります。
バラ科の果実は、成熟するにともなって果肉中のエムルシンにより分解されて時間が経つにつれ毒素が消えて行ってしまいますが、種子の核内の青酸配糖体はほとんど分解せずに残っている場合がありますので、生食で種を噛み砕かないようにします。
シアン化水素は、加熱処理をすることで毒性をなくすことができるようです。
ですので、販売されている加工食品にもしも種子が含まれていたとしても、死に至ることはありません。
また、果実が成熟すると共に毒性が消失するようなので、熟した果実は問題ないとのこと。
アミグダリンのおよその致死量
高濃度のアミグダリンが残った果実や種子を食べると、体の中のエルムシン、βグルコシターゼという酵素に分解されて「青酸」が発生する。
そうして青酸中毒を起こし、死に至る。
青酸の致死量は、人間だとおよそ60mg。
未熟な梅であれば100個〜300個ほどの量が必要になる。
なので、生食で少し食べてしまったからといってヒトが死に至ることはない。
ただ、アミグダリンをサプリメントと称し、ビワの種子を粉末状にしたものが過去に販売されていたことがり、注意喚起されている。
バラ科の果物一覧
引用:「果物ナビ」https://www.kudamononavi.com/zukan/index/
バラ科の果物と言われても、普段意識していないと思うので、ここで紹介しておきます。
- あんず
- いちご
- 梅
- さくらんぼ
- すもも
- 洋ナシ
- 梨
- ビワ
- もも
- りんご
- プルーン
- ネクタリン
- カリン
- マルメロ
もちろんデグーにも与えてはいけない
ヒトの致死量が生食では一度に食べきるのが不可能な量とはいえ、動物が大丈夫とは限りません。
ヒトよりもはるかに体が小さいデグーからすると、少量でもかなりの毒になり得るため、絶対に与えないようにしてください。